「世界、一新、またしても。」
そんな刺激的なセールスコピーと共に1998年に登場したこのデスクトップ型Macintoshは、その外観・機能・性能のすべてにおいてエポックメイキングなパーソナルコンピュータでした。
正式名称をPower Macintosh G3というこのマシンは、先代のシリーズと名称上の区別が付けにくかったこともあり、そのマザーボードの開発コードネームから「Yosemite」と呼ばれたり、特徴的な外観色から「Blue & White G3」と呼ばれることがしばしばです。特に昨今のApple社は、製品名をシンプルにしようとするあまり、個々の製品間での区別が困難になってきていることから、このような呼称を容認したり、またはカッコ付けで同社自体が用いたりしています。また、これ以降のデスクトップ機種は「Power Mac」と名付けられるようになり、結果として、このB&W G3は「Macintosh」の名を持つ最後のデスクトップマシンとなりました。
さて、B&W G3(以下BWと略称)は、同時期に世に問われ、圧倒的な支持を受けたiMacと共に、その外観が最大の特徴になっています。その名の由来ともなった青と白に染め分けられた筐体は、ただ単にスタイリッシュであるだけでなく、高い機能性との両立を果たしていた点で、やはりiMac同様の革新性を備えていました。
マザーボードはサイドパネル側に固定され、このパネルを開閉可能とすることで、比類なきサービス性の高さを実現したほか、筐体底部には4機まで(初期モデルでは3機まで)のHDDユニットを固定できるドライブトレイを装備。内部の冷却性などについても十分に配慮された、優れたものでした。その登場以来2年を経過した現在も、後継のPower Mac G4シリーズが、基本的に全く同一の筐体を使用していることからも、その優秀性が伺い知れるでしょう。
一方、性能においても、その外観に恥じないハイレベルを達成していたのがBWです。すでに先代マシンで採用され、飛躍的に高まった処理能力で知られていたPowerPC G3を、さらにスピードバンプして搭載。初期のラインナップでは300/350/400MHz、最終型では350/400/450MHzという動作周波数を実現。従来機の66MHzに対して100MHzまで高められたマザーボードの動作クロックとも相まって、非常に高い性能を発揮しました。
また、当時としては最新のATI社製RAGE128チップベースの高速ビデオカードを独自の66MHzPCIバスに装着して、これも従来のMacintoshの枠を越えたビデオ性能を実現していました。
そして、もうひとつ、販売の核になる中位機種にDVD-ROMドライブを標準搭載した点も特筆できるでしょう。Macintoshは、かつてCD-ROMドライブの普及にあたっても大きな役割を果たしたことで知られていますが、このDVD-ROMドライブの標準搭載は、その後のプレイステーション2の登場と共に、DVDの普及に大きな役割を果たしたものとして評価されることになるでしょう(ちょっと大げさかな〜^^;)。
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Power Macintosh G3 Seriesの仕様(Rev.A時点での仕様です)
プロセッサ:PowerPC G3 300MHz、350MHz、または400MHz
バックサイド二次キャッシュ:512KBまたは1MB
システムバス:100MHz
メモリ:64MBまたは128MB(PC100準拠 SDRAM)、DIMMスロット×4で最大1GBまで拡張可能
ドライブ:
●約6GB Ultra ATA、約12GB Ultra ATA、またはPCIカード内蔵約9GB Ultra 2 LVD SCSIのハードディスクドライブ
●CD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブ(DVDビデオ再生機能装備)
●Zipドライブ(一部機種のみ)
グラフィック:16MB SDRAMグラフィックメモリ搭載のATI RAGE 128グラフィックカード
スロット:PCIスロット×4(うち1基はグラフィックカード装着済)
ポート:10/100BASE-T Ethernetポート、FireWireポート×2、USBポート×2、USBポート×2、ADBポート×1
付属品:Mac OS 8.5.1(専用)、Apple USB JISキーボード、Apple USB マウス |
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